期限後申告と無申告加算税

期限後申告と無申告加算税

Yoshio Yamaguchi

期限後申告とは、期日を過ぎて確定申告書を提出することです。結果的に無申告ではないのですが、期限後申告をした場合のペナルティを無申告加算税と言い、税金の納付も期限後になりますが、これに対するペナルティとして別途延滞税がかかります。

無申告加算税は、納めるべき税額に対して一定の税率を乗じて算定します。無申告加算税の税率は、期限後申告をするタイミング、自発的に申告するのか税務署からの指摘により申告をするのか、によって軽重が下記のように異なることが特徴です。

・法廷申告期限から1か月以内に申告: 0%

・税務署から税務調査の通知を受けるまでに申告: 5%

・税務調査の通知から税務調査までに申告: 10%, 15%,25%

・税務調査が始まった後に申告: 15%, 20%, 30%

1. 法定申告期限から1か月以内

確定申告の提出には申告期限があります。所得税であれば3月15日、法人税及び消費税であれば事業年度末の日から2か月以内です。次の要件の全てを満たし、申告期限から1か月以内に確定申告書を提出すれば、無申告加算税は課されません。

・申告期限から1か月以内に確定申告書を提出すること。

・税金が法定納期限までに納付済みであること。(申告は遅れるが、納付は遅れない必要がある)。

・過去5年間、無申告加算税又は重加算税を課されたことがなく、かつ、本件無申告加算税の不適用を受けていないこと。

2. 税務署から税務調査の通知を受けるまで

税務調査が始まる1カ月ほど前に、税務署より調査日程について連絡が来ます。その連絡が来るまでに自主的に期限を申告をしていれば、無申告加算税は追徴される税額の5%です。

 

3. 税務調査の通知から税務調査まで

税務調査の通知が来てから税務調査が始まるまでの期間は、通常は1か月ほどであると思われます。その1か月の間に確定申告書を提出すれば、無申告加算税の税率は追徴税額に対して10%です。但し、追徴税額が50万円を超える部分に対しては5%が加算され、300万円を超える部分に対しては15%が加算されます。 

4. 税務調査が始まった後

税務調査が始まった後に期限後申告をする場合には、無申告加算税の税率は追徴される税額の15%です。但し納付すべき税額が50万円を超える部分に対しては5%が加算され、300万円を超える部分については15%が加算されます。

また、過去5年以内に無申告加算税又は重加算税が課されたことがある場合には、更に10%が加算されます。 

5. 重加算税

もし、仮装・隠ぺい行為を行ったうえで無申告となっているのであれば、上記の無申告加算税に代えて重加算税が課されます。税率は、本来納付すべき税金の40%です。

また、過去5年以内に無申告加算税又は重加算税が課されたことがある場合には、更に10%が加算されます。

6. まとめ

申告期限を過ぎてから確定申告書を提出すると、0%から50%の税率範囲で無申告加算税が課されます。早め早めに対応をすれば低い税率で済み、税務署からの指摘を待っている場合には重い税率になる点に注意を要します。

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