
日本税務 外国人、外国法人が国外から納税する方法
成岡拓哉Share
ここでは日本の国内銀行に口座を保有していない外国人、外国法人が、日本の法人税、消費税を納税する具体的な方法について解説します。
日本国内の銀行に口座を保有してれば、その銀行のインターネットバンキングシステムから納税をすることが可能です。
詳細は国税庁の下記ページにて確認できます。
納税管理人等の第三者による代理納付
外国企業で日本に事務所等を有さない場合には、納税管理人が必要です。納税管理人とは、海外にいる非居住者のために下記を行う者を言います。
・税金の書類作成、提出
・税金の納付、還付金の受領
・税務署から届く書類の受領
外国人、外国企業にとって最も簡単なのは、納税管理人の銀行口座を用いて代理で納付をしてもらうことでしょう。
欠点としては、納税管理人は日本居住者であれば個人でも法人でもなることができますが、よほど親しい関係でないと、納税管理人は代理納付には応じないことでしょう。
なお、納税者の税金を代理納付することは、納税管理人でなくても誰でもできます。インターネットバンキングシステムを用いて納付をすればよく、代理納付することについて特別な手続きはありません。
長所 |
特段の手続きがなく簡単。 |
短所 |
よほど親しくないと、納税管理人が代理納税に応じるケースは少ない。 |
クレジットカード納付
日本国内の金融機関に口座がない場合には、クレジットカード納付をお勧めします。手数料が発生する点がデメリットと言えるでしょう。手数料の金額は納付金額によって異なり、下記リンクから確認できます。
クレジットカードの名義は、会社名義、代表者名義の他、誰のクレジットカードでも納付できます。
手続きが簡単であり、短時間で完了し、英語対応している点が長所です。
欠点としては、全く税務知識がない人には用語が分からない箇所があると思います。Tax type, Taxable period, Declaration categoryと言った言葉が分かりずらいかもしれません。
Credit card payment charge
Tax payable(JPY) |
Charge(JPY) |
50,000 |
418 |
100,000 |
836 |
200,000 |
1,672 |
500,000 |
4,180 |
1,000,000 |
8,360 |
3,000,000 |
25,080 |
長所 |
手続きが簡単であり、短時間で完了し、英語対応している。 |
短所 |
手数料がかかる。 税務用語(Tax type, Taxable period, Declaration category等)を理解している必要がある。 |
下記はクレジットカード納付サイトの記載例です。
国外銀行からの送金による納付
国外銀行から国税局の銀行口座へ送金することによって納付することも可能です。
欠点としては、国税局職員と日本語にて電話及びメールのやり取りが必要になり煩雑です。
手数料については、送金をする銀行が課す手数料、資金を受領する日本の銀行が課す手数料の両方を負担する必要があります。日本の銀行の手数料は、3000円程と思われます。
wise、WorldFirst, PayForexなどの資金決済サービスを用いて国税局の銀行口座へ送金すると、国税局は資金の受領を拒絶します。しかも、受領を拒絶された資金の返金を取り戻そうにも、国税局も資金決済サービスも協力を拒絶し、トラブルに発展するケースがあります。国税局のサイトにはこのような説明がなく問題であると思います。
長所 |
国外の銀行口座から納税をすることができる。 |
短所 |
国税局職員と日本語にて電話及びメールのやり取りが必要。 銀行手数料がかかる。 資金決済サービスの利用は不可。 |
まとめ
外国人、外国企業にとっては、納税管理人等の第三者が代理納付をしてくれるのであればその方法が最も簡単です。
現実的には、クレジットカード納付をお勧めします。